神奈川県環境学習リーダー会 会報 2003年6月-7月 |
隗より始めよ 7 期 渡辺 進次 平成11 年 11 月に 7 期生として修了、間もなく肝臓がんが発覚し、すぐ入院する羽目になり、今年の5 月で 6 回の入退院を繰り返しています。 そんな訳で環境学習リーダーとしての活動は何もやっておりません。本来、こんな者が本欄へ書く資格はないのですが、折角ですから誌面を汚させていただきます。 私が自然保護に関心を持ち始めたのは、「日本野鳥の会」に入会してからです。 早21 年目になりますが、田舎育ちの私にとっては、自然大好き人間で、とりわけ空を飛ぶ鳥を見ると何とも言えなく気が休まされます。 現在の住まいになって、いつも新緑時季になると「アオバズク」が来て、鳴いていたのですが、ある年からその鳴き声が聞こえなくなってしまいました。 これは、おかしいと思ったところ、やはり周辺が、宅地開発され、緑が少なくなっていることに気がつきました。 何か手立てはないものかと案じておりましたら、日本自然保護協会が主催している自然観察指導者養成講座を受講する機会を得て、金田(平)先生をはじめ、柴田敏隆、青柳昌宏(故人)先生と言った蒼々たる講師陣に修了生が加わり、2 泊 3 目で講義と実習を教わりました。 自然保護の理念から生態学の基礎など自然観察法をとおしての実践を懇切丁寧に指導を受けたのも昨日のようです。 その後、グリーンタフという愛称の連絡会に入り、折りを見ては、バードウォッチングの手伝いの傍ら自然観察を続けております。 昨年、体調の良い時に、目本野鳥の会主催のバードウォッチング案内人研修があり、同会ネイチャースクール所長の安西さんからこれまた分かりやすい指導を受けて参りました。 私の場合、いつ入院する羽目になるか分からないので予定が立たず、暇に任せ、勝手な行動しかとれない自分に対し、健康な人がつくづく羨ましく思います。それでも自分が生かされていることに感謝しております。 ところで、今は、その筋の専門書はたくさん出ておりますが、もっとも感心するのは、企業が出している環境報告書です。 原子力発電所の問題では、東電から諸々の資料を提供していただきました。この中で「総合的な学習の時間」のためのテキストとして「環境学習ブック」(小学校高学年・中学校用)を生徒用と教師用に分けて作成していることです。 この報告書で目を引くのは、環境中期計画「ブーア(Blue Earth 21)」の策定です。6 つのスローガンと 9 つの「ブーア」を掲げ、環境に対する企業の取り組みと姿勢が、ただならぬ努力をされていることを痛感しました。 環境問題は、余りにもグローバル過ぎますが、企業は、企業ごとに努力しており、我々市民にとっては、「隗より始めよ」という格言のとおり日常生活の心構えが大切です。 そして、人が行動するには、すべて健康な身体あってのこと、病にあっては、思うように何も出来ない自分に歯痒さを感じます。最後に会員諸兄姉のご活躍を切に期待してペンを起きます。
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